2014
01/29
水
なぜそのようなことを感じたのかというと、明らかにクライエントの心情をくみ取る、察知する能力が鈍くなっているような場面が増えてきたからです。具体的に言えば、頭と理論で聴いているという感じでしょうか。正論なのにズレが出てきたり、カウンセリングの展開についていけない時が多々ありました。
これはクライエントに迷惑がかかると思い、どうにかしないといけないと思って神田橋先生の本を読んでいたら、やはり基礎トレーニングを怠っていることが一番の原因だということに気づきました。
↑カウンセラーを目指す人、セラピストを目指す人にとって一番に押さえておきたい本です。ただ、初学者は難しいかもしれませんが、一度読んでおくことをお勧めします。
カウンセラーに必要な一番の基礎は知識でも経験でもありません。
「感覚」「感じる能力」です。
これは雰囲気を察知する、ニュアンスをかぎ分ける、クライエントが今いるところを一緒に感じる、響きあうということに関します。
この「感覚」は普段からの基礎トレーニングで地道に作り上げないといけません。
要するにクライエントのニュアンスや背景を感じ取れる能力です。
この感覚の鋭さがカウンセラーの力量を左右するといっても過言ではありません。
クライエントの言葉の裏のニュアンスをどこまで繊細に感じ取れることができるか。
そしてそれをどのように関わりの中に使っていくことができるか。
この辺りの繊細さを鍛えていくことが大変必要なのです。
考えれば、最近いろいろとあり過ぎてそうした基礎トレーニングをしていませんでした。
その分、感覚も鈍ってしまい、カウンセリングも下手くそになっているのだろうと感じます。
ちょっと自分の臨床家としてのあり方に危機感を感じている今日この頃です。
ちなみに、臨床の感覚は「普段のカウンセリングの経験と学習で自ずと磨かれる」という人もいますが、それは間違いです。
空手やテニスなどのスポーツをイメージしてください。
本を読んで試合に出ているだけで、スポーツが上達することはまずありません。
これらは筋トレや型の練習、突き蹴りを繰り返すなど基礎トレーニングの上でそうした経験を積んで上手くなるのです。
基礎ができた上でコーチの指導やアドバイスが入ることで、初めてスキルが身に着きます。
カウンセリングも同じです。
経験と学習だけでスキルが上がるのであれば、苦労はしません。むしろ、真面目に本を読んだり勉強を熱心にしている人ほど、基礎が御座なりになってしまい、カウンセリングが凝り固まって逆にできなくなってしまうだろうと思います。
やはり普段から基礎トレーニングをしておく習慣は大切だと思います。
まずは、「感じる」練習を意識して過ごしてみようかと思います。
今回は自分の決意表明というか自戒の念を込めて書かせてもらいました。
やはり、何もしなければセンスがどんどん鈍っていきますね。
ちなみにこの練習の仕方を知りたい方は上記の本
また、研究会などで私にあったときに聴いてくだされば喜んでお答えします。
一つ言えるのは、カウンセリングの目標の一つはクライエントの感覚を育てるということでもあるというこです。
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