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こんばんは。
正月が過ぎてから急に寒くなりました。

カウンセラーは精神科医ではありません(臨床心理士も同様です)。
したがってうつ病や統合失調症、発達障害などの病気や障害について診断をつけることはできません。
また医学的な治療(例えば薬物療法など)を行うこともできません。

またカウンセリングの特徴として、クライエントに精神病のレッテルを貼らず、一人の人として対等に関わり寄り添うことが挙げられます。
極端な話、悩みを傾聴するだけで(本当にクライエントの本心を聞くことができればですが)、症状が軽快したり、問題が解決する事例も多々あります。

こうなると一つの疑問が浮かんできます。

「ではカウンセリングに精神医学の知識はいらないのだろうか?」

結論を言えば、カウンセリングに精神医学の知識は必須です。
その他の身体疾患の病気(甲状腺障害や循環器障害など)についてもある程度の知識は求められます。

なぜ必須かというと、

一つはクライエントをより良く支援する方向性を見出すためです。
例えば、うつ病については環境要因が作用する場合と脳の機能の低下による場合があります。前者についてはカウンセリングで対処が可能ですが、後者については薬物や栄養療法、休養などが必要となります。
また、発達障害では環境調整と社会的スキル訓練、統合失調症では現実検討を維持するような関わり方が必要です。
特に医療機関につないだほうが良くなるケースでは、精神医学の知識がないとカウンセリングが進まないばかりか、クライエントの症状を悪化するだけになってしまいます。


また、クライエントを守るためという場合があります。
言い換えれば、症状の悪化を防ぐためです。
うつ病では自殺の危険性があることはよく知られています。
環境要因のしろ、脳機能の低下の場合にしろ、最悪クライエントが自殺する可能性があります。
自殺の危険性は投薬によって(対処療法的ですが)低くなります。具体的に言えば、薬を飲むことで「死にたいという気持ちがなくなった」ということはよくあります。
また、うつや躁うつ病では甲状腺の異常によるものもあります。橋本病やパセドゥ氏病と呼ばれるものです。これば放っておくと症状が悪化し、またカウンセリングではなく投薬治療でしか治りません。
また統合失調症では妄想をよく聴けば聴くほど、妄想が膨らんでしまい、症状が悪化してしまいます。統合失調症のカウンセリングの原則は妄想や幻聴ではなく「現実」に焦点を当てることです。


さらに、カウンセラー自身を守るためという意味合いもあります。
境界性人格障害ではカウンセラーに対して「プライベートで会いたい」と言ってくる人が少なからずいます。
普通の人であれば、プライベートであっても問題がない場合が多いのですが、境界例ではそこから「カウンセラーが私とプライベートで会ってくれたということは、私のことを愛してくれる」と思うようになり、最悪裁判ごとになってしまう場合もあります。
結果、カウンセラーが被害を被るだけでなく、クライエントの人生に大きな傷跡を残すことになりかねません。
境界例のクライエントの治療は枠を守ることが基本です。

以上、よく本で書かれている事例を基にカウンセリングにおいて精神医学が必須な理由について書いてみました。
私自身も精神医学の知識が浅はかなために、クライエントに迷惑をかけてしまったことはよく経験してきました。同様に精神医学の知識があったからこそ、ケースがうまく好転したこともあります。

精神医学の知識はクライエントに診断をつけるためではなく、クライエントをより良く支援するためにあるのだと日々の臨床を通して実感しています。
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2012.01.10 Tue l カウンセリング考察 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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