こんにちは。
今回はケースワークとカウンセリングの違いについてお話をしたいと思います。
どちらも相談支援という枠組みでは同じものなのですが、理論背景や専門性は全く異なります。
まず、ケースワークとは社会福祉士や精神保健福祉士が行うものです。
一方でカウンセリングとはカウンセラーが行うものです。
ケースワークの基盤は法律です。
DV防止法や児童福祉法、障害者福祉法など、福祉の法律に基づいて相談を受けます。
そのうえで、法的な立場から助言を行ったり、場合によっては関係機関と連携を取り合って、支援をしていくのがケースワークです。
外側から支援をしていくというイメージです。
一方で、カウンセリングはクライエントの内的な気づきを引き出していきます。
もちろん、法的な知識による助言や関係機関との連携も取ることはありますが、原則はクライエントの思いに寄り添って、クライエントが答えを見つけていけるように支援をしていくのがカウンセリングです。
内面を支援をしていくというイメージですね。
具体的な例を挙げてみましょう。
病院で知的障害と診断された子どもを持ったお母さんが相談に来られたとします。
ケースワーク的な対応を取るとすれば、まずは療育手帳があるかどうかを確認し、ないのであれば療育手帳の取得を促すかと思います。
その上で、医療機関との連携やデイサービス、療育機関を紹介し、お母さんが楽に過ごせるような支援を一緒に考えるかと思います。
カウンセリング的な対応を取るとすれば、お母さんがどうしたいのかを丁寧に聴いたうえで、お母さんの心の整理ができるように寄り添っていくような支援を私ならするでしょう。その上で、お母さんが今の現実(知的障害の子どもとどう関わっていくか)に向き合えるように一緒に考えていきます。
こうしてみると、カウンセリングの方が支援としては曖昧な印象を持たれやすいですが、これがあってやっと現実に向き合えるというお母さんもいるのです。
もちろん、ケースワークもカウンセリング的な関わりを必要とする場合もあるし、カウンセリングもケースワークの視点を取り入れないといけない場面もあります。
まあ、両者は似て異なるものなので、カウンセラーを目指すのであれば、これらの違いはしっかりと理解しておくことが大切だと思います。
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