こんにちは。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
カウンセリングのクライエントでは時折、人格障害系の人からターゲットにされたという相談を受けることがあります。
よくあるのが境界性人格障害や自己愛性人格障害ですね。
これらは共依存関係になりやすいので、心理的にサポートをすることで対処法を学ぶことが可能です。
ただ、A群の妄想性パーソナリティ障害の人にターゲットにされるとかなり事情は厄介です。
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DSM-Ⅴの診断基準では
A群:奇異型
B群:劇場型
C群:不安型
というクラスター分類があります。
境界性人格障害や自己愛性人格障害は、クラスターB群に入ります。
B群の劇場型の人の特徴は感情の混乱やストレスの弱さなどが特徴ですが、こうした人たちはある程度距離を取ることで、安定した関わりを保つことがまだまだ可能な範囲です。
ターゲットにされるとかなり厄介ですが、時間をかければある程度は一緒に職場で働くレベルまではできるだろうと思います。
もちろんその人の人格障害の程度によりますし、周りの人のストレスも結構かかりますが、まだましというレベルです。
しかし、A群の奇異型になると、話は別です。
特に妄想性パーソナリティ障害の人の場合は、妄想が激しくなるので、「私はあの人に傷つけられた」という強い信念を持ちます。
そして、その信念をベースとして理論を展開しようとするため、まずあ話が通じません。
妄想性パーソナリティ障害の人にターゲットにされると、心身がズタボロになってしまいます。
そのタイプの人は「あの人は私のことを傷つけた敵」として認定しているので、とことん攻撃する相手として認識しています。
例えば、職場でずっと睨んできたり、「この人のいうことは絶対に聞かない」と業務上のお願いすら無視することもあります。
妄想性パーソナリティ障害の人にターゲットにされた人からの相談を受けたことがありましたが、どれも単なる嫌がらせというのを超えているような話ばかりです。
また、このタイプの人の攻撃は「あの人が嫌いだから」という理由を超えています。
「あの人は私を傷つけてくる人だから、その前に倒さないといけない」という信念の基に、執拗な攻撃をずっと続けてくるのです。
そして、その言動の背景には、ある種の恨みや憎しみを感じることが多く、一言では言い表せない雰囲気を醸し出しています。
もし、妄想性パーソナリティ障害の人からターゲットにされた場合、一番やってはいけないことは、「なんでそこまで言われるのか、やられるのか」と思って、反論したり、攻撃に出ることです。
そんなんことをすると、「また私を攻撃してきた」と妄想に拍車がかかり、さらに攻撃の手が強まります。
そうなると、すぐにパワハラだと上司や労基に訴えに出たり、刑事事件として被害届を出すなど、かなりややこしい事態になりかねません。
「この人は私のことを傷つけてくる最悪の敵」と完全に思っているので、自分を守るために全力で攻撃してくるのです。
そういう人に対して一つ一つ応戦する時間とお金なんて私たちにはありません。
また、私たちは状況を説明する際は、必ず状況と照らし合わせて客観的に伝えるようにし、もし間違いがあれば柔軟に修正しようと心がけるものです。
しかし、このタイプの人は「こうだから間違いない」という前提のもとに状況を説明しようとするので、聴いている人は「なんかおかしいな」と思いながらも、妙に説得力があるので「そうなんだろうな」と思わされてしまいます。
要するに、下手に相手をすると、周りの人に「あの人は本当にヤバイ人だから、みんなでやっつけましょう」という空気ができてしまいます。
何かあるたびに、周りの人に報告して「だからやっつけるべきだ」という雰囲気が少しずつ出来上がるのです。
周りが「いや、その人ってこういういいところもあるよ」とあなたのことをフォローしようが、「いや、そんなことはない」と修正してくれることはありません。
(この自分の価値観の修正ができないのが、妄想性人格障害の大きな特徴でもあります)
妄想性パーソナリティ障害にターゲットにされると、信念や価値観に従って、あなたを完膚なきまでの叩き潰そうとしてくるのです。
それも周りの人を巻き込む形で。
そして、最終的には法的な手段を使ってまで。
だからこそ、つらいかもしれませんが、その人がいなくなるまで耐え続けることが一番の解決策となります。
また、こうした人にターゲットにされる人は、複数いるのが常です。
同じ職場や仲間内に、妄想性パーソナリティ障害にターゲットにされた人を見つけて、その人たちと情報を共有できると、まだ安定して耐えることができるでしょう。
人格障害系の人の特徴として、いろんな人とトラブルを起こすようになり、いずれはその場から去っていくことも多いです。
もちろん、全部がそうとは言えませんが、それまで耐え続けるか、しんどければ自分から去っていくというのも一つの解決策です。
妄想性パーソナリティ障害にターゲットにされた場合は、相手にせず、ひたすら耐え続けること。
相手にすれば、より一層「私を傷つけてくる」という妄想を強める結果となり、状況はかなりひどくなるので、相手にしないということが一番の解決策と言えます。
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