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心理カウンセラーの田中勝悟です。

最近、大津市のいじめ自殺の報道からニュースでいじめに関する特集がよく組まれているように感じます。

スクールカウンセラーとして学校で勤務していると、いじめは本当に気づきにくいものです。
ここで「気づきにくい」というのは教員や保護者、スクールカウンセラーのことではありません。

それはいじめている生徒といじめられている生徒両方のことです。

よく子ども達の話を聴いていると、いじめている側の生徒の多くは「いじめ」という認識を持っていません。

男子では面白いからからかっている、反応が楽しいからちょっかいを出しているぐらいの認識しかありません。
女子はこの子がいるとグループの輪が乱れるから、グループ内の自分の立ち位置を何とかして保持するためにしてるという認識です。

いじめとはある意味、いじめた生徒が自分の所属しているグループでの調和や立ち位置や振る舞いをより良いものとするために行われているものだと言えます。
いじめた生徒が複数のことが多いのはこのためですし、自分の欲求を満たす試みが(この場合は楽しさや、力の誇示、グループの調和など)いじめとして表れているため、彼らは自分がいじめているという実感や意識を持っていないことが多いのです。
そのため、いじめた生徒に「何でいじめたか」と聴いても、納得できる答えは出てきません。


また、いじめられている生徒も実際にいじめを受けていると意識できていないことが多々あります。
私たちは今までの経験を参考にして今の行動を振り返ります。そのため、「いじめられている」と認識するのに結構時間がかかることがありまう。

大抵の子供は、友達から嫌がらせを受けた時に、遊びの延長線上として捉えがちです。
するとある時、エスカレートしてしまいます。
子どもはどこかおかしいと思いながらも、今まで同じようにされてきたので、そのいじめを受け入れてしまいます。「たぶん今だけだ。しばらくしたらよくなる」と思いながら。
しかし、いじめはだんだんと積み重なり、その子の心は徐々に傷ついてきます。
途中でいじめられていると気づきますが、今度はどう自分では対処していいのか、誰に相談すればいいのか、その後自分はどうなるのか更なる悩みが出てきます。人間だれしも見通しのつかない変化よりは今の状況を維持したいと思う傾向があるものです。

そして、どうしていいかわからないところまで追い詰められてしまい、最悪の場合、自殺することがあります。

特にその子が発達的な課題を持っていた場合、その子がいじめと認識しないまま、状況が悪化してしまうこともあります。

ここで大切なのは、いじめている側といじめられている側、双方がいじめという認識を持たないまま、事態が進行してしまうことがあることです。
そのため、いじめの事実確認をしようとしても、うまく答えられない生徒も結構多いのです。大体多くのいじめられている生徒は「楽しく遊んでいた」と話しています。これは単に口封じされているのではなく、本当にいじめられていると認識していない場合もあります。
このことはDVや虐待の子供、パワハラを受けている部下などにも当てはまると思います。


となると、いじめに対する必要な対策は「何がどうなればいじめになるのか」がはっきりとわかるような教育です。他人が嫌がるようなことがすでにいじめであるということをまずは厳しく教えていくことが必要ではないかと思います。そして、困ったことがあればすぐに担任に言えるような関係をまずは築くことです。

しかし、それだけでは不十分です。
絵に描いたようないじめであればみんなわかるし対応も見えやすいですが、いじめの初期は地味でわかりにくく、エスカレートした後で収集がつかなくなることも多いのです。そのため、いじめと気づきにくいまま進行してしまうこともあります。

昨日(7/15)のMrサンデーで教育評論家の尾木先生がいじめ対策には傍観者でいじめに批判的になっている生徒が必ず数人いるはずなのでその子をしっかりと活かすべきだと話されていました。またそのような生徒は「これはいじめではないかと」と直感的に感じるセンスを持っているものです。

具体的にはクラスの終わりの会で、グループに分かれて今日あったことを話し合い、それを班長が最後に報告するというものです。その時に傍観者ばかりのグループがあれば、そのグループの中でいじめのような出来事があれば班長が伝えます。誰が言ったかがわからないため、担任がいじめの事実を把握しやすくなります。


私たち大人が何がいじめで、どこからがいじめになるのかという線引きをしっかり持ち、それを子どもにしっかりと教えていくことは大変必要です。特に生徒間でトラブルが起こった場合は、相手を傷つけることがいじめだということをしっかりと生徒に教えることができるチャンスでもあります。

しかし、当事者の子供たちは、いじめの認識がないまま、事態が悪化していくこともあります。
だからこそ、何がいじめかをしっかりと教えることが必要ではないかと考えます。

特に、子供が「いじめなんて起こっていない」と言っているからと言ってそれを素直に受け入れないようにすることが必要です。しっかりと周辺の傍観者となっている生徒から情報を収集し、その情報を事実として伝え、その事実が本来のクラスであればはおかしいことを話すことが大切です。
いじめの解決は学校全体が「いじめ絶対に許さない」という姿勢をとれば比較的スムーズに収束していきますが、そこに至る過程がとても大変です。もしかすると保護者からのクレームもあります。

だからこそ、学校や教師は一人の大人として、いじめをしっかりと理解し、それを子供たち(時には保護者)に伝えていくことが必要ではないかと思います。悪質な場合は傷害事件に発展する場合もあり、その際は毅然とした態度で警察などの法的介入をしっかりと決断していくことも必要でしょう。

これを読んでいる方は何がいじめにあたるのか、どこまでやればいじめになるのか、を考えて欲しいと思います。
それが、いずれはあなた自身を守り、あなたの子どもを守る大きな武器となるのです。
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2012.07.16 Mon l スクールカウンセリング l コメント (2) トラックバック (0) l top
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コメント

Re: タイトルなし
せんしゅさん、ブログを読んでいただきありがとうございます。

> 私は両者の力関係が一方的になったときからいじめになるのではないかと思います。

私もその通りだと思います。ただ、いじめにはスクールカースト(クラスの中の力関係のピラミッド)も関係しており、力関係は出会った時からすでに一方的になっている場合がほとんどだと思います。

教員志望とのことですが、頑張ってください。レポートが無事に仕上がるのを祈っております。
またよろしければ、ブログ見に来てくださいね。
それでは失礼したします。
2012.07.19 Thu l 田中勝悟. URL l 編集
わたしは教員志望の大学1年生で、教職入門のレポートの資料集めをしていて、偶然こちらのブログを拝見させていただきました。
私は両者の力関係が一方的になったときからいじめになるのではないかと思います。
教員は日ごろから生徒とのコミュニケーションが必要ですね。
具体的な案まで書いていただけるとは本当に嬉しいです。教員になれたら実行させていただきます。
2012.07.18 Wed l せんしゅ. URL l 編集

 

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